菊地章雄さんの「帰省メシ」~特別編~
菊地章雄さんの「息子さんの帰省メシ予想」
今回は、2019年に行方市に移住した菊地章雄さんに、子供さんの将来の帰省メシ予想を中心に伺いました。
菊地章雄さんのプロフィール
1989年生まれ。石岡市出身。
茨城高専を卒業後、長岡技術科学大学、茨城大学、武蔵野大学大学院で農業や環境問題を学ぶ。
笠間市笠間公民館、茨城大学、国立環境研究所などで勤務し、現在は夫婦で民泊を運営するなど霞ケ浦と共にある暮らしを実践中。
10歳の頃に出会った恩師(※)が設立メンバーの市民団体(NPO法人霞ヶ浦アカデミー)に参画し、それも縁になって2019年に行方市に移住。
妻と子(2023年10月生まれ)とヤギ2頭と鶏7羽とのびのび、にぎやかに暮らしている。趣味はけん玉とカヌー。
※内水面試験所(玉造)の所長をされていた浜田篤信さんです。浜田さんは退職後、石岡市のロータリークラブの支援を受けて、まちかど情報センター(石岡市)で生き物教室(ふるさと生き物アカデミー)を行っていました。毎月1回実施。
その活動がNPO法人化した霞ヶ浦アカデミーの1つのコンテンツです。
●行方市内の好きな景色は?
「最近まで朝の6時台に霞ヶ浦大橋を通っていました。それで感じたんですが、大橋から見える日の出と、漁を終えた漁船が通る風景が一番好きです。少しずつ明るくなる時間が変わっていって、景色が毎日変化していく中で、ちょうどいい日、今日すごいきれいだなーっていう日があって、気持ちの良い気分で1日が始まります。」
●カヌーが好きになったきっかけは?
「霞ヶ浦アカデミーのメンバーにカヌーが趣味の方が加入して、誘われたのがきっかけです。それまでスポーツとは無縁でしたが、誘われたら何でも試そうという思考をしていた時期だったので、多少の抵抗はありましたが始めてみました。
僕は基本的にびびりで、情けない性格をしているので、何度も疲れてくじけそうになります。無事に終われるとうれしいです。年に数回大会に出るのですが、これまで自分では味わったことのなかった達成感みたいのがあって、好きです。」
●ともに暮らしているヤギや鶏に名前はありますか?
「ヤギはアンディ(メス)とフランク(オス)です。飼い始めた当時、夫婦で見ていたアニメ(弱虫ペダル)のキャラクターにちなんで付けました。鶏は、きぬちゃん、ちゃげちゃん(以上、オス)といつちゃん、みずちゃん、ぽてこ、くまちゃん、アロちゃん(以上、メス)です。卵からかえして、ひよこ時代に妻が名前を付けています。」
菊地さんご自身の帰省メシについて
菊地さんの「帰省」
―――まずは、菊地さんの帰省について伺います。学生時代からこれまで、帰省のかたち、たとえば帰省頻度にも変化があったでしょうね。
大学生の頃は新潟にいたので年に2~3回帰省していました。その後はしばらく実家で暮らして、また実家を出て、その数年後に結婚して今に至ります。
新潟にいた期間以外は割と実家の近くにいたので、帰省という感じではなく気軽にさくっと帰っていました。
そして今はというと…実家に帰省していないのです、両親と喧嘩中なので。直近では、郵便物を取りに一瞬帰っただけです。ちなみに、行方市藤井の自宅から実家までは車で30分くらい。
―――というと、目下、楽しみにしている帰省メシは何?という質問には答えられないですね。
懐かしいなあと思う実家の料理は多々あって、自分で作ってみたりしています。
そのうちの一つ、これは料理というよりも思い出深い食べ物といったほうがいいかもしれませんが、焼いて食べたネギの味が忘れられないです。
おじいちゃんと畑でネギを抜いてその場でたき火して、その直火で焼いて、焦げた表面を剥がして、醤油をつけて食べました。めっちゃおいしくて、たくさん焼いて食べていたら、気持ち悪くなるくらい食べてしまいました。今もたまに食べたくなりますね。食べる量には注意です。
――おいしそうです。素材そのままの味の堪能ですね。止まらなくなって食べ過ぎたの、よくわかります(笑)
からしなすも懐かしいです。「からし粉の量が少し多かったかなー」なんて聞かされて、おそるおそる口に入れてツーンとなっていました。それもまた好きでした。
――からし成分への身体の反応も楽しんでいらしたんですね。
帰省の際の食にまつわることで、印象に残っているエピソードを教えてください。
帰省で思いつくのがお正月です。実家では、元旦から3日までは朝にお雑煮を食べるのですが、お餅を焼くのは男の仕事だと教わってきました。灯油ストーブで焼いていた記憶が濃いですが、毎年そうやって焼いていたかは覚えていないです。家族みんなにお餅を何個食べるか聞いたりしたのも覚えています。
――お雑煮は、お餅の形や具材や味付けなどに地域差があったりして、研究家もいらっしゃるようですね。お雑煮のお餅を焼くのが男の仕事であるとしている地域もあるのですね。行方のお雑煮事情もいつか調べてみたいです。
学生時代の食の記憶
――学生時代に住んでいた新潟での食の思い出はありますか?
はい。江口だんごさんの「笹だんご」。
それと小嶋屋総本店さんの「へぎそば」は友達が来た時に使わせてもらったり、一人でも行っていました。その後も新潟に行くと立ち寄るお店です。
研究室のメンバーで、夕食はどこのラーメン屋に行くか毎日のように話し合ったのも覚えています。「長岡ラーメン」は豚ガラでとった脂多めの醤油味です。
――笹団子!昔、看護学校の学生寮で、新潟出身の同級生からよくごちそうになりました。一気にそのときのことを思い出します。食関係の記憶って薄れにくいものだなって改めて思います。
行方市産の食材の印象は?
――行方市に移住して、2024年現在で5年目ですね。
行方らしい、と感じる行方市産の食材はありますか?
僕は石岡市の湖からそれほど遠くないところが出身で、行方市とそれほど違いがあるとは思っていませんでした。
実際に暮らしてみて、シラウオを生で食べると知ったのは衝撃でした。シラウオは行方らしいと感じます!帰省の際のお土産について今回の質問にありましたが、もし帰省するとしたらシラウオの魚醤がいいかもしれないな、と思います。
それから、直売所にたくさんの種類のサツマイモがあるのも行方らしいと思います。
とにかく、行方市産の食材はなんでもある印象です。直売所に行くと、季節に関係なく行方産の野菜が豊富にそろっているので困ることがないです。
――そうですね。行方の直売所には新鮮な食材がいっぱいあって、行くたびに「わあー」って心の中で歓声をあげています。お花やおかずコーナーもたのしみにしています。
シラウオの魚醤のことは知りませんでした。今度使ってみたいです。
ちなみに、行方でよく利用している飲食店はありますか?
はい。寿司和食 しんさんです。よく利用させていただいています。誕生日とかちょっとしたお祝いの時は、事前にコース料理を頼んでおきます。普段でも外で安心してご飯を食べたいときには利用します。頻度は、数か月に1度ペース。
本格的な江戸前寿司が、我が家から歩いて行けるところで食べられるというのが奇跡だと思ってます。大将が気さくで話しやすいことと、本格的なお寿司が食べられるところ、気軽に注文しやすいおつまみメニューがあるところがいいですよ。
息子さんの帰省メシ予想
2023年生まれの息子さん。帰省するようになるのが、大学生になったときからと仮定した場合、2040年頃からでしょうか。
その息子さんの将来の帰省メシは、どんなものになりそうか。あるいは、どんなものになってほしいか。菊地さんに考えていただいた四つの料理を、紹介します。レシピとコメントと共に。
予想1 れんこんつくね
れんこんつくね
(材料)
・れんこん
・鶏ひき肉
・卵
・大葉
・塩、胡椒、醤油
(作り方)
・鶏ひき肉に刻んだ大葉を加えて、下味をつけておく(A)
・(A)をれんこんに挟んで、フライパン(僕はオーブンレンジ使用)で焼く
「行方市の特産、れんこんと大葉を使用しました。霞ケ浦・北浦周辺は蓮田が多くて、ドライブしていると蓮の花がきれいです。土浦駅から行方に向かうと、最初に見える帰省の景色は蓮田です。いつの日か大学生になった息子を土浦駅まで迎えに行く日が来るのでしょうか??」
予想2 トースターでできるフライドポテト
トースターでできるフライドポテト
(材料)
・じゃがいも
・オリーブ油
・塩、胡椒
(作り方)
・じゃがいもを適当な大きさにカットする
・トースターの皿にアルミ箔を敷いて、じゃがいもを並べる
・トースターで20分焼くだけ
「毎年、家庭菜園でつくるじゃがいも。最近、トースターで焼くのが我が家の定番になっています。最初は家庭菜園の土は粘土質で苦労しましたが、ヤギさんの糞と食べ残しでつくった堆肥でだいぶ柔らかくなりました。息子には将来、そんなじゃがいもをそのままの味で食べてほしいです。
家庭菜園でとれたミニトマトでトマトソースを作って楽しんだりもしています」
予想3 灯油ストーブで焼くやきいも
灯油ストーブで焼く焼き芋
(作り方)
・濡れたキッチンペーパーでさつまいもを巻く(個人的にはさつまいもの表面積の3分の1だけキッチンペーパーを巻くのが好み、巻きすぎると焼き芋の香ばしい感じがなくなって、蒸かし芋になる)
・さらにアルミ箔で巻く
・灯油ストーブの上にのせて、柔らかくなるまで焼く(握ったら跡がつくくらい柔らかくなったら完成)
「やきいもが大好きな妻は、毎日食べています。きっと息子も好きになるでしょう。
色んな品種のさつまいもを食べ比べるのも楽しいです。
ストーブで焼くのは僕の仕事で、ストーブを使わない時期には買ってきます。いろいろ食べ比べて、個人的には<ひめあやか>がなめらかで好みです。JAの直売所<楽郷>では、季節ごとに品種を変えて焼き芋を販売してくれているので、その時に美味しい焼き芋が買えるので好きです」
予想4 パクチーサラダ
パクチーサラダ
(材料)
・パクチー
・その他お好みの野菜
・はるさめ
・魚醤(ナンプラー)
・砂糖
・ごま油
・あればナッツ類
(作り方)
・野菜は食べやすい大きさにカット、はるさめはゆでておく(A)
・魚醤、砂糖、ごま油をよく混ぜる(B)
・(A)と(B)をよく和える。このとき砕いたナッツ類を入れると◎。おつまみの柿ピーのピーナッツだけを拝借したり、ピーナツバターを使用することも。
「遡ってみると僕らが結婚したきっかけは、友達だった妻がベトナム旅行をすると聞き、お土産をおねだりしたのが最初です。結婚後も二人で新年をベトナムで迎えたことも。さて、昔話は恥ずかしいのでパクチーサラダの話に。行方市でも盛んに栽培されているパクチー、帰省メシでは<シラウオ魚醤>でいただきたいです。行方市はアジアンショップも多いので、ナンプラー(タイ)も、ヌクマム(ベトナム)も簡単に手に入ります。僕が利用しているTAMATSUKURI BASE CAMPは、玉造のローソンの近くの、コインランドリーと一緒の敷地にあります。ヌクマムを買おうと思ったら、味のついたヌクマムしか扱ってなかったので、先日はナンプラーを買いました。営業時間は16時~20時です」
取材を終えて
「湖畔の音を聞くワークショップ」(霞ヶ浦アカデミー主催)の開催予定を知り、思いついて菊地さんに、霞ケ浦湖畔の音について何か印象があるか、たずねてみました。ついでに、嗅覚、触覚における霞ヶ浦の印象も。
すると菊地さんは、突飛な質問にも誠実に次のようにコメントしてくれました。
「霞ケ浦の音ですが、夏のオオヨシキリのギョギョシギョギョシギョギョシという鳴き声とか、冬のカモのクワックワックワックワーという声の印象です。
嗅覚は、アオコの臭いが一番に思い浮かびますが、ワカサギのキュウリのような匂いも印象的です。霞ケ浦の印象的な触覚は、難しいですね、水も触るし、砂も触るし、魚も触るし、石も貝も植物も触っています。ちょっと難しいです」
冒頭のプロフィール(菊地さんご自身による記述)中の、「霞ケ浦と共にある暮らしを実践中」が、まさにその通りであることがコメントから伝わってきました。
彼は、実感と知がいつも共にあり、それを行動につなげることができる方のように感じました。頼もしい存在です。
息子さんの帰省メシ予想の答え合わせができるのは、ちょっと先です。
編集協力
【学生時代の食の記憶】
笹だんご(画像提供) 江口だんご
へぎそば(画像提供) 小嶋屋総本店
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