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K.I.さんの「帰省メシ」~社会人編~

K.I.さんのプロフィール

帰省メシ稲川夏帆さん

1998年生まれ

麻生中学校→麻生高校→釧路公立大学

土浦市在住

K.I.さんの帰省スタイル

【帰省先】
行方市石神
「大学に入ったときから一人暮らしをしており、そのときから数えると実家を出て8年になりますが、途中、新卒で就職したときに半年ほど実家におりました。土浦市から帰省するようになって4年(2024年現在)です」

【帰省時期】
お盆、お彼岸などを含め2、3か月に一度
「実家の近くに用事があるときも帰ります。実家の庭で野良猫の子が生まれたときは、友人への譲渡のために、ほとんど毎週帰っていました。
ちなみに、大学(釧路)時代に帰省したのは、2年の夏と成人式のときと4年の就活のときの3回だけ。費用も時間もかかるので。釧路に行ったばかりのとき、アメリカンドックに砂糖がかかっているのに驚いたり、北海道民のソウルつゆ<めんみ>というものを知ったりと、食にまつわる地域差にふれて新鮮に感じました」

【帰省ルート】
自動車で帰省
a ルート 土浦→かすみがうら市→かすみがうら大橋→行方
b ルート 土浦→稲敷→潮来→行方
「両ルート共に、かかる時間はおよそ1時間。bルートは、稲敷に用事があるときのみです。コロナを機に車帰省をするようになり、帰省しやすくなったので、最近はお盆や正月以外にも帰ることが増えました」
「泊まることはなく、いつも日帰り帰省です」

 

行方に帰ってきたなあ、と感じる景色や場所

 

母校の麻生高校の前を通ったときや実家の近所のラーメン屋さんが見えたとき

稲川夏帆さん_麻生高校
K.I.さんの母校 茨城県立麻生高等学校

稲川夏帆さん_蔵太鼓
K.I.さんの実家近くのラーメン屋さん「会津喜多方ラーメン 蔵太鼓(行方麻生店)」

 

帰省時の過ごし方

友達に会う、お墓参り、親戚の家をたずねる、など。

「帰省した友達と会ったら、一緒にどちらかに出かけることが多いです。最近は、雪見堂というかき氷屋さんに行きました。ジェラートのようでおいしいかき氷でした。

それと、水の科学館跡にできた「霞ケ浦 どうぶつとみんなのいえ」にも行きました。まだキリンがいなかった時期でカピバラに触ってきました。また行きたい場所です」

 

実家へのお土産

家族で共通して読んでいる漫画(実家に保管するため)

「ワンピース、黒執事、終末のワルキューレ、など」

「父の影響で<リングにかけろ>というマンガを読んだのがきっかけで、<はじめの一歩><あしたのジョー><バキ>などのボクシング(格闘)マンガも好きになりました。」

帰省メシ_漫画の棚
写真はイメージ

「雑誌に連載された分が本になったら私が買って、<買ったよう>って連絡しておいて、帰省のときにアパートから持って行きます。家族みんなが読みます。それらのある実家の本棚は図書館みたいなもので、帰省したらその場でちょこっと読んだり、ふたたびアパートに持ち帰って読んだり。」

飼っている猫のご飯や身の回りの品

「チャオちゅーる、腎臓ケアフード、ブラシ、など」

 

食品

「まとめ買いで買い過ぎたコストコのお菓子やスーパーの大容量売りの野菜など。チョコ好きの母に、ゴディバのチョコとかも」

 

interview

―――楽しみにしている「帰省メシ」はなんでしょう。

いまの私の場合、実家の食、で連想するのは、2021年に鬼籍に入った祖母の料理なんです。

たとえば、祖母が作ってくれた<大根の甘酢漬け>が大好きでした。祖母の畑でとれた大根を漬けてくれていたんですが、漬かる前に食べちゃうくらい好きでした。

祖母亡きあと、もう一度食べたいと考えて、自宅で何回か作ってみたんです。でも、どうも、うまくいかなくて…。

そのことを母に話したところ、なんと母もそれを食べたくて、昔、祖母から教わったレシピを思い出して作ってみたと聞き驚きました。

しかし、祖母のレシピは大根5本以上を刻んで樽に漬けるもので、調味料も、砂糖1キロ、酢1本、塩は茶碗(メモリがついたものではない)にすりきり一杯、というもので、少ない分量で再現するには難しく、母も作ってはみたものの「あの味ではない」と頭をひねっていました。

祖母がよく作ってくれた料理がたまに食べたくなります。これから母と私で一つずつ再現したいです。

――おばあ様の料理を食べたい気持ち、分かる気がします。私も、母方の祖母がよく作ってくれた水ようかんがすごく食べたくて…。でも、手間をかけて作っていたプロセスをそばでよく見ていたので、あれを自分が再現できるわけがないと、トライする前にあきらめていました。

おばあ様の大根の甘酢漬け、おいしそうです。お母様もその味がお好きだったのですね。再現、成功するといいですね。

再現と言えば、もし再現できるものならば、いつか食べてみたいけど、たぶん食べられないだろうなっていう、むかし、行方市で食べた煮豆があります。白くて平べったい豆が独特のとろみで甘く煮てあるやつなんですが…。以前、自宅で葬儀が営まれたときなどに、ふるまい膳に必ず出されていたんです。でも、豆の名も、料理名も分からずで…。

それ、もしかして、私も大好きで、祖母がよく自宅で作ってくれた煮豆かもです。

白豆の煮たの、と呼んでいました。イベントとか節目の日とかでもない日に祖母が作りはじめて、私がいちばん食べるので、私の好きな甘みにしてもらって、できたら私が全部おやつに食べちゃう。煮汁がどろっと豆にまとっている感じで、よく分からない食べ物です。

――そう。それ!

その豆も、たぶん、祖母が畑で作っていたもので、収穫した豆を筵の上にひろげて乾かし、叩いて中身を取り出していたのを覚えています。その豆は日本酒の一升瓶につめられて、煮るときにはそこからじゃーっと豆を出すんです。

祖母はもういなくなってしまったので、食べられない。食べられないと思うと悲しくて…。あの白豆を、どこで買ったらいいかも分からないので、再現を試みることはできないし。

稲川夏帆さん_碁石豆稲川夏帆さん_碁石豆2
「その豆の名は碁石豆だと、その後判明。その経緯を、なめがた漫遊記(5)(市報行方2024年10月号)に記しました。
写真は、行方市の直売所・楽郷で2024年8月に入手した碁石豆。お店の方によると、この種類の豆の生産者が希少になっているそうです。私の記憶の中の豆より少し小ぶりな印象で、これを見せた同級生もそんな感想でした。生産者の方や、煮た経験のある方に碁石豆話をいろいろ聞いてみたいです(小林)」

 

――おばあ様の食の思い出がほかにもたくさんありそうですね。

はい。夏休みの間の日中は、同居の祖父母に面倒を見てもらっていました。私が小学生だったころ、祖母は私には味噌か自家製の梅干しのおにぎり、一つ下の弟にはごま塩のおにぎり、一番ま下の弟はまだ赤ちゃんだったのでミルクを与えていたのを覚えています。

そういえば、私が風邪を引いたとき、「梅干しが食べたい」と言ったら母がスーパーではちみつ入り梅干しを買ってきてくれたんです。私が「ばあちゃんの漬けたのが食べたい」とわがままを言ったら、そのことを祖母はたいそう喜んで。

――おばあ様、うれしかったことでしょう。

祖母は、餅を揚げたおかきや松前漬けもよく作ってくれました。

おかきは、職場へ持って行くとすぐに無くなってしまうほど好評だと叔母たちが大量に持って行くこともあり、祖母はいつも大量に揚げていました。揚げたての熱いうちにつまみ食いするのが一番おいしくて好きでした。

松前漬けはにんじん、するめ、昆布のシンプルなもので、するめをキッチンバサミで細く切るときに手伝ってつまんだりしていました。昆布があまり好きではないので、私が食べたあとは緑の松前漬けが残り(笑)、祖母か母が食べてくれていました。

――好きなのだけ食べてしまうって、子供のころのあるあるですね(笑)。私もそういうことやっていました。

おばあ様は、大根や豆のほかにも畑でいろいろお作りだったのでしょうね。

はい。たとえば夏は、とうもろこし。小さいころ、スーパーのとうもろこしと食べ比べてみたことがあるんですが、スーパーのと同じ味だねって正直に感想を言ったら「ばあちゃんのほうがおいしいっていいなよ」って言われたんです。いま思うとスーパーと同じ味って相当すごいなって。

祖母は春菊の出荷をしていたこともあって、それもよく考えたら、出荷できるレベルの作物だったわけで、すごいばあちゃんだったなって、思うようになりました。きゅうりなども、自分でもぎって食べさせてもらうことができて、考えてみればぜいたくなことだったなって。

おかげで野菜好きになりました。

――好きな野菜、ベスト3は?

トマト、塩をかけて。きゅうりとにんじん、みそやみそマヨネーズをつけて。

生で手軽に食べられる野菜、みそが合う野菜か好きです。どれも、祖母の畑に行けば採りたてが食べられた野菜です。

稲川夏帆さん_トマト

 

――K.I.さんの野菜好きは、おばあ様からの大切な贈り物の一つですね。

食以外のことも、おばあ様の思い出がたくさんあるでしょうね。

あります。

その一つ、暮らしの豆知識をよく教えてくれました。カメムシには牛乳を吹き付けるといいとか、わらから縄を編む方法とか、夜にラジオを流しておくととうもろこしがハクビシンに食べられるのを防げるとか。

祖母は、私の在り方には口出しせずのびのびとさせてくれました。定期テスト前の朝、早起きして勉強していると、たまに様子を見に来て見守ってくれました。

あと、高校や大学に合格したときも、祖母はすぐに知らせたのでしょう、次の日には近所中が知っていたように思います。

――素敵なおばあ様ですね。お話、ありがとうございました。

 

取材を終えて

今回は、カフェ(つくば市 カフェ ポエティカ)で飲食しながら、雑談しながらのインタビューが取材のメインになりました。

初対面の場合、取材されるほうはもちろんですが、するほうも緊張するものです。そんなふうにはまったく見えない、と言われる私ですが、取材しながら飲食した味はたいがい記憶に残りません。

しかしK.I.さんとは、初対面でも料理や飲み物をしっかり味わいながら話ができたのです。

それは彼女が、取り繕わず、かといってあけすけではなく、人を楽しませそして安心させるバランス感覚を発動しながら自身を語ってくれたからかもしれません。

おばあ様のほかに、働きながら娘を何くれと気づかうお母様、夏の帆引き船がお好きだというお父様、そして弟さんたちご家族からの自然な愛情をまとったゆえのおおらかさのようなものも、彼女の雰囲気から感じました。記事にする際に大幅に割愛しましたが、いろんな話ができました。また、話したいです。

 

編集協力

【取材会場】

カフェ ポエティカ

【写真提供】

会津喜多方ラーメン 蔵太鼓(行方麻生店)

問い合わせ先

このページに関するお問い合わせは政策秘書課 シティプロモーション室です。

行方市役所 麻生庁舎 2階 〒311-3892 行方市麻生1561-9

電話番号:0299-72-0811(代表)

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