○行方市犯罪被害者等基本条例

平成29年3月1日

条例第7号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 基本的支援(第6条―第13条)

第3章 支援体制の整備(第14条―第18条)

第4章 雑則(第19条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,犯罪被害者等のための施策に関する基本理念を定め,市及び市民等の責務を明らかにするとともに,犯罪被害者等のための施策の基本となる事項を定めることにより,犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進し,もって犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。

(2) 犯罪被害者等 犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族で,市内に住所を有する者,居住する者,勤務する者及び在学する者をいう。

(3) 犯罪被害者等のための施策 犯罪被害者等が,その受けた被害を回復し,又は軽減し,再び平穏な生活を営むことができるようにするための施策をいう。

(4) 民間の団体等 犯罪被害者団体及び個人で活動する犯罪被害者等並びに犯罪被害者等への支援を行うことを目的とする民間の団体及び個人で活動する者をいう。

(5) 市民等 市内に住所を有する者,居住する者,勤務する者,在学する者,事業者及びこれらの組織する団体をいう。

(基本理念)

第3条 全て犯罪被害者等は,個人の尊厳が重んぜられ,その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。

2 犯罪被害者等のための施策は,被害の状況及び原因,犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて適切に講ぜられるものとする。

3 犯罪被害者等のための施策は,犯罪被害者等が,被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間,必要な支援等を途切れることなく受けることができるよう,講ぜられるものとする。

(市の責務)

第4条 市は,前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり,犯罪被害者等のための施策を総合的に策定し,及び計画的に実施する責務を有する。

2 市は,前項に定める施策の策定及び実施に当たっては,国,他の地方公共団体,民間の団体等その他の関係機関等との連携及び協力に努めなければならない。

(市民等の責務)

第5条 市民等は,基本理念にのっとり,犯罪被害者等の置かれている状況及び犯罪被害者等支援の必要性について理解を深め,犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのないよう十分配慮するとともに,犯罪被害者等を孤立させないよう努めなければならない。

2 市民等は,市がこの条例に基づき実施する犯罪被害者等のための施策に協力するよう努めなければならない。

第2章 基本的支援

(相談,情報の提供等)

第6条 市は,犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため,必要な情報の提供を行い,犯罪被害者等が直面している各般の問題について相談に応じ,助言を行い,犯罪被害者等の援助に精通している者を紹介し,手続補助,付添い,訪問を行う等必要な支援を講ずるとともに,支援に関する総合的な調整を行うものとする。

2 前項に定める支援に当たっては,犯罪被害者等の利便,秘密及び名誉の保持並びに安全の確保に配慮するよう努めなければならない。

3 市は,第1項に規定する支援を総合的に行うための窓口を設置する。

(経済的負担の軽減)

第7条 市は,犯罪被害者等の日常生活及び就学における犯罪等に起因する経済的負担の軽減を図るため,見舞金の給付,貸付等必要な支援を講ずるものとする。

(保健医療サービス及び福祉サービス)

第8条 市は,犯罪被害者等が,心身に受けた影響から回復できるようにするため,適切な保健医療サービス及び福祉サービスが受けられるよう,医療従事者の紹介,受診料負担の軽減,医療相談等必要な支援を講ずるよう努めるものとする。

(居住の安定)

第9条 市は,犯罪等により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を速やかに確保するため,又は犯罪被害者等が更なる犯罪等により被害を受けることを防止するため,公営住宅の活用,転宅支援その他必要な支援を講ずるものとする。

(雇用の安定)

第10条 市は,犯罪被害者等の雇用の安定を図るため,関係機関等と連携し,犯罪被害者等が置かれている状況についての事業主の理解を深め,犯罪被害者等の事情に配慮した職場環境の整備等が促進されるよう必要な支援を講ずるものとする。

(日常生活支援)

第11条 市は,犯罪被害者等が早期に平穏な日常生活を営むことができるよう,他の地方公共団体,民間の団体等と連携し,病院等への付添い,送迎,家事,育児,介護その他の日常生活の支援のため,援助者の派遣等必要な支援を講ずるものとする。

(刑事に関する手続への参加についての支援)

第12条 市は,犯罪被害者等がその被害に係る申告及び刑事に関する手続への参加を容易にするため,他の地方公共団体,民間の団体等と連携し,犯罪被害者等が警察,検察等に出頭し,又は公判手続に参加し,若しくは公判を傍聴する場合において,情報提供,付添いの支援等必要な支援を講ずるものとする。

(地方公共団体間の連携)

第13条 市は,第2条第2号に規定する犯罪被害者等以外で,市内で犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族に対しても,第6条から前条までに規定する支援をでき得る限り講じ,その者が住所を有し,若しくは居住する地方公共団体との連携及び協力に努めるものとする。

第3章 支援体制の整備

(総合的支援体制の整備)

第14条 市は,他の地方公共団体,民間の団体等その他の関係機関等と連携し,及び協力して,犯罪被害者等がどの機関又は団体を起点としても,直面している各般の問題についての支援を受けられるよう必要かつ総合的な支援体制を整備するものとする。

(人材の育成等)

第15条 市は,犯罪被害者等が適切な支援を受けることができるよう,市の職員,民間の団体等その他の関係する者に対し,犯罪被害者等の支援に係る研修の実施その他必要な施策を講ずるものとする。

(市民等の理解の増進)

第16条 市は,教育活動,広報活動,啓発活動等を通じて,犯罪被害者等が置かれている状況,犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏への配慮の重要性等について市民等の理解を深めるよう必要な施策を講ずるものとする。

(民間の団体等に対する援助)

第17条 市は,犯罪被害者等に対する支援において,民間の団体等が果たす役割の重要性に鑑み,その活動の促進を図るため,支援を行う者の安全を確保し,場所及び情報の提供,助言等必要な施策を講ずるものとする。

(意見の反映及び透明性の確保)

第18条 市は,犯罪被害者等のための施策の適正な策定及び実施に資するため,犯罪被害者等の意見を施策に反映し,当該施策を策定する過程の透明性を確保する等必要な施策を講ずるものとする。

第4章 雑則

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行について必要な事項は,規則で定める。

この条例は,平成29年4月1日から施行する。

行方市犯罪被害者等基本条例

平成29年3月1日 条例第7号

(平成29年4月1日施行)